「戸建ては断熱等級6とかZEHがあるのに、なぜマンションにはないんだろう」
「マンションで断熱等級6やZEHは取れないの?」
リノベを検討していた頃、そう疑問に思っていました。
でも、実際に取れました。
東京23区内の78㎡・築20年のマンションを、スケルトン断熱リノベーションで断熱等級6・ZEHを取得しました。工務店選びで7〜8社を比較し、工期7ヶ月。
この記事では、「寒さと間取りに悩んだ末、断熱スケルトンリノベに踏み切った5人家族の筆者が、リノベの動機・工務店の選び方・費用・工期・取得後の体感まで、全て書いていきます。
「うちもできるかな?」と思っている方の参考になれば幸いです。
まず結論:マンションでも断熱等級6・ZEHは取れる
結論から言います。マンションでも、断熱等級6とZEHは取得できます。
ただし条件があります。対応できる工務店を選ぶことです。
断熱等級6・ZEHに対応しているリノベ会社は、まだ多くありません。取得のためにはこのノウハウをもった工務店であるかどうかを確認する必要があります。
なぜ断熱等級6・ZEHを目指したのか
リノベ前のマンションには、明確な不満がありました。
冬が寒かった。
暖房をつけても部屋が温まらない。窓の近くにいると、冷気がじんわり伝わってくる感覚がありました。
結露がひどかった。
冬になると窓ガラスが毎朝びっしょり濡れていました。拭いても拭いても追いつかない。カビへの不安もありました。
資産価値を上げたかった。
マンションをいずれ売る可能性も考えていました。断熱性能が数値で証明できる物件は、今後の不動産市場で有利になると判断しました。
住宅性能を可視化したかった。
「断熱に力を入れた」だけでは主観です。断熱等級6・ZEHという第三者認定があることで、性能が客観的に証明できます。これが決め手のひとつになりました。
工務店選び|7〜8社を比較してわかったこと
探し方はネット検索とYouTube(大手は最初から外した)
工務店は、地元を中心にネット検索とYouTubeで探しました。大手住宅メーカーには最初から行きませんでした。
理由は、断熱性能に強い会社が大手に少なく、割高と感じたからです。大手は施工数が多くデザインも洗練されています。最近では断熱についてアピールするところも出てきていますが、ほとんどは戸建ての話。断熱等級6・ZEHという高性能リノベを得意とする会社は、規模の小さな専門会社に多い印象でした。
YouTubeで断熱リノベについて発信している工務店を見つけたことが、最終的に決め手になる会社との出会いになりました。動画で技術・思想・実績を発信している会社は、それだけ断熱に自信があるということでもあります。
工務店の選び方については、こちらの記事でも詳しくまとめています。
見学会に行くたびに「ここが一番」になる罠
7〜8社を比較する中で、気づいたことがあります。見学会や打ち合わせに行くたびに、「ここが一番かもしれない」となる。
どの会社も、自社の強みを丁寧に説明してくれます。施工事例を見せてもらうと、どれも魅力的に見えます。担当者の人柄が良ければ、なおさら「ここでいいかも」となりやすい。
これは判断を難しくする罠でした。会社ごとに「良く見える」基準が変わってしまうからです。
この罠を抜け出すために、判断軸を最初に決めいつもそこに戻るようにしていました。それは「断熱性能」と「設計力」。我が家の住まいの悩みは、寒さと間取り。この2点を軸に比較し続けたことで、感情に流されずに選べたのではないかと思っています。
最終的な決め手:断熱性能×設計力を両立している会社は少ない
7〜8社を比較してわかったのは、断熱性能と設計力を両立している会社は本当に少ないということです。
断熱に強い会社は、デザインや間取り設計が得意でないことがある。設計・デザインが洗練されている会社は、断熱への意識が薄いことがある。
最終的に選んだのは、YouTubeで断熱リノベの技術を積極的に発信している、経験豊富な工務店です。
しかしながら、この工務店でも実際に断熱等級6・ZEHを取得した実績はありませんでした。
それでも選んだ理由があります。それまでに様々な情報を調べてきた中で、なんとなくではありますが、この工務店の施工であれば高い断熱等級が取得できると感じていました。また、打ち合わせの段階で断熱等級の取得を希望することを相談し、了承を得た上で進めました。
費用の考え方
具体的な工事費の総額は、広さ・仕様・間取り変更の有無によって大きく変わるため、参考になりにくいと判断してここでは割愛します。費用の相場感については、こちらの記事でまとめています。
スケルトン断熱リノベが高くなる理由
一般的なリノベより費用が上がりやすい理由は明確にあります。
・壁・床・天井をすべて解体するため、工程が多く人件費がかかる
・高性能断熱材・内窓など、素材コストが上乗せされる
・ZEH・断熱等級6の認定取得に手続きコストがかかる
・工期が長くなるため、全体の費用が膨らみやすい
「断熱スケルトンリノベは高い」というのは事実です。ただ、その理由を理解した上で予算を組むことが大切だと感じています。
補助金で約81.5万円が戻ってきた
費用を語る上で補助金は外せません。我が家では、合計5種類の補助金・減税制度を活用し、約81.5万円が戻ってきました。
先進的窓リノベや子育てグリーン住宅支援など、断熱性能が高いほど使える制度が増えます。
申請の手順・失敗談まで含めた詳細はこちらにまとめています。
見落としがちな仮住まい費用
多くの方が計画段階で見落とすのが、仮住まいにかかる費用です。
工期約7ヶ月の間、家族5人で仮住まいが必要でした。引っ越し代・家賃・契約費用・光熱費などを合計すると、100〜120万円程度になります。工事費とは完全に別でかかる出費です。
計画段階から必ず予算に組み込んでおくことをおすすめします。
内訳の詳細はこちらで公開しています。
工期とZEH・断熱等級6の取得の流れ
工期は約7ヶ月
スケルトンリノベーションの工期は約7ヶ月でした。壁・床・天井をすべて解体するスケルトン工事に加え、断熱材の施工・内窓設置など工程が多いため、一般的なリノベより工期は長くなります。
申請は工務店が手続き(自分はほぼ動かない)
断熱等級6・ZEHの申請は、工務店がすべて手続きしてくれました。自分でやったことはほとんどありません。
住民票などの書類を求められることはありましたが、申請作業の実務は工務店任せです。この点は、取得に前向きで経験のある工務店を選ぶことで大きく楽になります。
工期の7ヶ月の中で、並行して手続きが進んでいたイメージです。
取得してみて感じたこと
断熱等級6・ZEHを取得して、実際に住んでみた感想を正直に書きます。
冬が、明らかに暖かくなりました。
以前は暖房をつけても足元が寒かった部屋が、今はどこにいても均一に温かい。窓際に座っても冷気を感じません。
夏も、快適になりました。
エアコンをつけると、すぐに部屋全体が涼しくなります。以前は効きが悪いと思っていたエアコンが、同じ機種なのに別物のように感じます。
光熱費は、少し安くなりました。
劇的な変化ではありませんが、確実に下がっています。冬・夏それぞれの光熱費の変化を数字で確認したい方はこちらをどうぞ。
快適さが、格段に上がりました。
数字では表しにくいですが、「家にいることが心地よくなった」という感覚です。窓際の温度が大きく変わり、冷気のストレスがなくなったことが一番大きい。実際の温度変化や生活への影響を詳しく書いた記事はこちらです。
費用は決して安くありませんでした。でも後悔はありません。むしろ、かかった費用以上の満足感があります。
まとめ|同じようなリノベを検討している方へ
マンションでの断熱等級6・ZEH取得について、まとめます。
| 項目 | 実績 |
|---|---|
| 断熱等級 | 等級6 |
| ZEH | 取得 |
| 工期 | 約7ヶ月 |
| 工務店選び | 7〜8社比較 |
| 決め手 | 断熱性能×設計力 |
| 補助金 | 約81.5万円 |
| 仮住まい費用 | 100〜120万円 |
マンションで断熱等級6・ZEHを目指すなら、最初に工務店選びに時間をかけることが最重要です。対応できる会社が限られているため、探し方が結果を左右します。
YouTubeや地元の工務店情報を丁寧に調べること、見学会で感情に流されずに判断軸を持つこと、この2点が後悔しない選択につながると思います。
同じような状況でリノベを検討している方の参考になれば幸いです。








コメント