「断熱リノベしても大して変わらない」は本当か|1年通しの月別データで検証

断熱で変わる

(2026年 5月30日更新)

断熱リノベーションをすると光熱費が下がる——そう聞いてはいても、

「実際いくら変わるの?」

「思ったほど変わらないんじゃないの?」

と気になりませんか。

わが家は築20年・78㎡のマンションを、断熱スケルトンリノベーションで断熱等級6・ZEH取得。

リノベ前(2023年)と、リノベ後の1年(2025年3月分〜2026年2月分)の光熱費を、12ヶ月分すべて並べて検証してみました。

ポジティブな数字だけでなく、電気代が上がった月もそのまま載せています。

寒さと間取りに悩んだ末、断熱スケルトンリノベに踏み切った5人家族の筆者が、12ヶ月分の電気・ガス代の実データについて書いていきます。

先に結論:年間▲6万円・全12ヶ月で削減

結論から書きます。リノベ前後で年間の光熱費は約6万円下がりました。

そして全12ヶ月で合計が削減になっています。

内訳は、電気代▲19,710円(-11%)、ガス代▲40,937円(-37%)、合計▲60,647円(-21%)。

月平均▲5,054円、1日あたり約166円の削減です。

「大して変わらない」と言われがちな断熱リノベの光熱費効果ですが、12ヶ月通年で見れば、確実に効果が出ています。

ただし、削減の主役は「ガス代」であり、電気代は運用次第で増減します——この詳細を、月別データで検証していきます。

わが家の基本情報とリノベ概要

具体的な数字に入る前に、前提となるわが家の条件を整理しておきます。

住宅情報
・東京23区内・築20年・78㎡・3LDK・南西向き1階
・5人家族(大人2名+子ども3名)

リノベ内容(断熱スケルトンリノベ)
・窓:シングルアルミサッシ → 既存サッシ+ダブル樹脂内窓(YKKAPプラマードU)
・壁:ウレタン吹付け断熱を60mm追加
・床:ネオマフォーム施工
・天井:ウレタン吹付け約50mm追加
・断熱等級6・ZEH取得

暖冷房の変化

リノベ前リノベ後
暖房エアコン2台(間欠)+ガスファンヒーター+電気ストーブ多数天井埋め込みエアコン1台(5.0kW)を24時間連続運転
冷房エアコン2台(間欠)・天井埋め込みエアコン1台(5.0kW)を24時間連続運転
・エアコン(2.2kW)1台を間欠運転(一部屋)

そもそもなぜマンションでもこれほど寒さや光熱費に悩むのか。その理由はこちらで詳しく書いています。

月別 光熱費比較データ(12ヶ月通年)

比較対象は、リノベ前(2023年)とリノベ後(2025年3月分〜2026年2月分)の同じ月どうしです。

電気(前)電気(後)電気差ガス(前)ガス(後)ガス差月合計差
3月15,184円13,169円▲2,015円12,487円8,301円▲4,186円▲6,201円
4月11,661円10,210円▲1,451円11,046円8,841円▲2,205円▲3,656円
5月12,016円10,248円▲1,768円7,490円6,499円▲991円▲2,759円
6月13,054円13,665円+611円6,960円5,249円▲1,711円▲1,100円
7月16,353円15,787円▲566円5,106円4,222円▲884円▲1,450円
8月17,197円15,370円▲1,827円4,935円3,348円▲1,587円▲3,414円
9月13,709円10,592円▲3,117円5,771円4,158円▲1,613円▲4,730円
10月10,492円10,926円+434円7,323円5,710円▲1,613円▲1,179円
11月15,646円14,399円▲1,247円9,191円5,837円▲3,354円▲4,601円
12月15,545円17,044円+1,499円13,841円7,183円▲6,658円▲5,159円
1月22,570円17,465円▲5,105円13,403円5,376円▲8,027円▲13,132円
2月17,920円12,762円▲5,158円13,382円5,274円▲8,108円▲13,266円
年間合計181,347円161,637円▲19,710円110,935円69,998円▲40,937円▲60,647円

12ヶ月の合計で▲60,647円。電気・ガスそれぞれの中身を、次から詳しく見ていきます。

電気代の変化:「増えた月」もある正直な結果

電気代の年間削減は▲19,710円(-11%)。ただし、月別で見ると6月・10月・12月の3ヶ月は増加しています。

増減額
6月+611円
10月+434円
12月+1,499円

増えた月の合計は+2,544円。これに対し、削減した9ヶ月の合計は▲22,254円。差し引きで▲19,710円の削減です。

増加の主因は、リノベ後にエアコン1台を24時間連続運転に切り替えたこと。

リノベ前はエアコン2台を間欠運転していたので、運用方法が大きく変わりました。

それでも、真冬(1月・2月)の削減幅が圧倒的です。

2023年2025-26年削減額
1月22,570円17,465円▲5,105円
2月17,920円12,762円▲5,158円

リノベ前は電気ストーブ・電気カーペットを家中で使っていた冬。それらが全て不要になり、エアコン1台の連続運転だけで暖かさを保てるようになったことが、この削減につながっています。

ガス代の変化:12ヶ月すべてで削減

今回のデータで最も劇的な変化が、ガス代です。

12ヶ月すべての月で削減・増加した月はゼロ。年間削減は▲40,937円(-37%)に達しました。

特に冬3ヶ月(12月・1月・2月)の削減幅は圧倒的です。

2023年2025-26年削減額削減率
12月13,841円7,183円▲6,658円-48%
1月13,403円5,376円▲8,027円-60%
2月13,382円5,274円▲8,108円-61%
冬3ヶ月合計40,626円17,833円▲22,793円-56%

リノベ前はガスファンヒーターをリビングに常設し、冬は毎月13,000〜14,000円のガス代がかかっていました。リノベ後はガスの用途が給湯と調理のみとなり、真冬でも5,000〜7,000円台で収まっています。

冬3ヶ月だけで年間削減額の56%を稼いでいる計算です。

真冬(1月・2月)の効果が圧倒的

電気代・ガス代の合計で見ると、真冬2ヶ月の削減幅が突出しています。

2023年2025-26年削減額年間削減への寄与
1月35,973円22,841円▲13,132円21.7%
2月31,302円18,036円▲13,266円21.9%
1+2月合計67,275円40,877円▲26,398円43.5%

たった2ヶ月で年間削減の半分近くを稼いでいることになります。

我が家の場合、断熱リノベの効果は「冬に強い」ことが、わが家のデータからもはっきり読み取れます。

光熱費だけで元は取れるか?

結論から言います。

光熱費の削減だけで工事費を回収するのは、現実的ではありません。

内窓工事だけでおそらく約150万円程度かかっていると思います。

周辺の窓枠等の造作工事を入れると、それ以上になっていると思います。

年間6万円の削減として計算すると、回収まで約25年。

ただし、わが家では合計81.5万円の補助金を活用しました。

補助金を引いた実質負担額で考えると、回収期間は大幅に短縮されます。

補助金の詳細はこちらにまとめています。

「断熱リノベを光熱費削減のためにやった」という人は少ないと思います。

わが家が求めていたのは、冬に寒くない家・結露しない家・暖房器具を部屋ごとに出し入れしなくていい家でした。

光熱費の削減は、あくまで副産物として捉えるのが正直なところです。

数字より大きい変化は「快適さ」

ここまで光熱費の話をしてきましたが、お金には表れない「快適さ」の変化が、実は一番大きいと感じています。

家のどこにいても、ほぼ同じ室温

夏も冬も、リビングでも廊下でも窓際でも、室温がほとんど変わりません。リノベ前は窓の近くに冷気が漂っていて「あの席は寒いから座りたくない」という場所が家の中にありました。今はそれがありません。

換気しても寒くならない

リノベ前は換気扇をつけると一気に外みたいに寒くなりました。今は換気しても室温がほとんど落ちません。

結露と湿度の変化

以前は冬になると毎朝窓ガラスがびっしょりでした。今は結露が完全になくなりました。湿度も安定して保てるようになり、乾燥対策も楽になっています。結露についての詳細はこちらです。

まとめ:「大して変わらない」は誤解だった

「断熱リノベしても光熱費は大して変わらない」——この説は、12ヶ月の実データで検証した結果、誤解だったと言えます。

わが家の場合、年間で約6万円の削減。月平均▲5,054円、1日あたり約166円。全12ヶ月の合計で削減になりました。確かに「劇的に半額になる」わけではありません。でも、「変わらない」というのも事実とは違います。

項目内容
年間削減額(合計)▲60,647円
電気代削減▲19,710円(-11%)
ガス代削減▲40,937円(-37%)
月平均削減▲5,054円
1日あたり約166円
全12ヶ月で削減になった月12ヶ月(全月)
電気代が増加した月6月・10月・12月(3ヶ月)
ガス代が増加した月0ヶ月
活用した補助金約81.5万円
数字に表れない価値家中同じ室温・結露ゼロ・湿度の安定・圧倒的な快適さ

断熱リノベの光熱費効果は、「年間6万円程度の削減+圧倒的な快適さ」——これがわが家の通年データから出した結論です。

リノベの全体像や生活の変化については、こちらも合わせてご覧ください。

この記事が、断熱リノベの光熱費に疑問を持つ方の判断材料になれば嬉しいです。

みなさんがマンション断熱リノベで、光熱費の削減と快適な暮らしの両方を実現できるよう、心から願っています。

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