「断熱リノベしても光熱費は大きく変わらない」は本当か|月別データで検証した結果

断熱で変わる

断熱リノベーションをすると光熱費が下がる——そう聞いてはいても、「実際いくら変わるの?」「思ったほど変わらないんじゃないの?」と気になりませんか。

私もリノベ前は、断熱リノベでどのくらい変わるのかとても気になっていました。

このブログでは、マンションの3LDKを断熱リノベした筆者が、実際に住んでわかった「光熱費データ」を整理し、リノベ前後の月別データを公開したいと思います。

ポジティブな数字だけでなく、電気代が上がった月や比較できなかった月も正直に載せています。

これから断熱リノベを検討している方の参考になれば幸いです。

結論:光熱費は下がる。ただし「劇的」ではない

結論から言います。断熱リノベで、わが家の光熱費は下がりました。ただし「劇的に下がる」わけではありません。

理由は、削減の主役がガス代であり、電気代は運用次第で増減するからです。冬のガスファンヒーターをやめた効果は大きい一方、エアコンを24時間連続運転に切り替えた電気代は、月によってはむしろ増えました。

わが家の場合、比較できた8ヶ月で合計▲44,408円。月平均にすると▲5,551円でした。

正直、数字だけ見れば地味です。でも、断熱リノベの本当の価値は光熱費以上に「快適さ」にあります。これは住んでみて初めてわかったことでした。以下、月別データで詳しく検証していきます。

わが家の基本情報とリノベ概要

具体的な数字に入る前に、前提となるわが家の条件を整理しておきます。

住宅情報
・東京23区内・築20年・78㎡・3LDK・南西向き1階
・5人家族(大人2名+子ども3名)

リノベ内容(断熱スケルトンリノベ)
・窓:シングルアルミサッシ → 既存サッシ+ダブル樹脂内窓(YKKAPプラマードU)
・壁:ウレタン吹付け断熱を60mm追加
・床:ネオマフォーム施工
・天井:ウレタン吹付け約50mm追加
・断熱等級6・ZEH取得

暖冷房の変化

リノベ前リノベ後
暖房エアコン2台(間欠)+ガスファンヒーター+電気ストーブ多数天井埋め込みエアコン1台(5.0kW)を24時間連続運転
冷房エアコン2台(間欠)同エアコンを24時間連続運転

そもそもなぜマンションでもこれほど寒さや光熱費に悩むのか。

その理由はこちらで詳しく書いています。

月別 光熱費比較データ

比較対象は、リノベ前(2023年冬〜2024年夏)とリノベ後(2025年冬〜2026年春)の同じ月どうしです。

電気(前)電気(後)電気差ガス(前)ガス(後)ガス差月合計差
12月15,545円17,044円+1,499円13,841円7,183円▲6,658円▲5,159円
1月19,310円17,465円▲1,845円12,410円5,376円▲7,034円▲8,879円
2月15,977円12,762円▲3,215円11,089円5,274円▲5,815円▲9,030円
3月15,614円13,169円▲2,445円10,049円8,301円▲1,748円▲4,193円
4月12,002円10,210円▲1,792円10,441円8,841円▲1,600円▲3,392円
5月12,018円10,248円▲1,770円7,776円6,499円▲1,277円▲3,047円
6月14,954円13,665円▲1,289円6,797円5,249円▲1,548円▲2,837円
7月20,992円15,787円▲5,205円6,888円4,222円▲2,666円▲7,871円
8ヶ月合計126,412円110,350円▲16,062円79,291円50,945円▲28,346円▲44,408円

※8月〜11月のリノベ前データは工事期間と重なるため除外しています。

8ヶ月の合計で▲44,408円。電気・ガスそれぞれの中身を、次から詳しく見ていきます。

電気代の変化:「上がった月」があるのはなぜ?

12月の電気代だけ1,499円の増加になっています。

この増加が断熱リノベによるものかどうか、はっきりした因果関係はわかりません。ただ、12月はその冬で初めてエアコン暖房を使い始めた月です。

しかも当初は設定温度を24℃にしていました。断熱が効いて24℃では暑いくらいだと気づき、その後22〜23℃に下げています。「使い始めの探り探りの月」だったことが、電気代に影響したと考えています。

電気代だけ見ると12月は微増ですが、ガスも合わせた月合計では▲5,159円の削減です。

ガス代の変化:冬の削減幅が圧倒的

今回のデータで最も変化が大きかったのが、ガス代です。

ガス代削減額
12月▲6,658円
1月▲7,034円
2月▲5,815円
冬3ヶ月合計▲19,507円

冬3ヶ月だけで月平均▲6,502円

リノベ前はガスファンヒーターをリビングに常設し、冬は毎月13,000〜14,000円のガス代がかかっていました。リノベ後はガスの用途が給湯と調理のみとなり、真冬でも5,000〜7,000円台で収まっています。

年間削減額はいくらになるか

比較できた8ヶ月の平均削減額は月▲5,551円

これを12ヶ月に換算すると、年間約66,000〜70,000円の削減が見込まれます。

※比較できていない8月〜11月は工事期間のためデータなし。夏の冷房費削減も見込まれるため、実際はこれを上回る可能性があります。

光熱費だけで元は取れるか?

結論から言います。光熱費の削減だけで工事費を回収するのは、現実的ではありません。

内窓工事だけで約150万円かかりました。

年間7万円の削減として計算すると、回収まで約21年。

ただし、わが家では合計81.5万円の補助金を活用しました。

補助金を引いた実質負担額で考えると、回収期間は大幅に短縮されます。

補助金の詳細はこちらにまとめています。

「断熱リノベを光熱費削減のためにやった」という人は少ないと思います。

わが家が求めていたのは、冬に寒くない家・結露しない家・暖房器具を部屋ごとに出し入れしなくていい家でした。

光熱費の削減は、あくまで副産物として捉えるのが正直なところです。

数字より大きい変化は「快適さ」

ここまで光熱費の話をしてきましたが、お金には表れない「快適さ」の変化が、実は一番大きいと感じています。

家のどこにいても、ほぼ同じ室温

夏も冬も、リビングでも廊下でも窓際でも、室温がほとんど変わりません。

リノベ前は窓の近くに冷気が漂っていて「あの席は寒いから座りたくない」という場所が家の中にありました。

今はそれがありません。

換気しても寒くならない

リノベ前は換気扇をつけると一気に外みたいに寒くなりました。今は換気しても室温がほとんど落ちません。

結露と湿度の変化

以前は冬になると毎朝窓ガラスがびっしょりでした。今は結露が完全になくなりました。湿度も安定して保てるようになり、乾燥対策も楽になっています。

結露についての詳細はこちらです。

まとめ:「光熱費は大きく変わらない」は半分本当で半分間違い

「断熱リノベしても光熱費は大きく変わらない」——この説は、半分本当で、半分間違いでした。

半分本当:月平均の削減額は▲5,551円。

年間でも約7万円程度です。

工事費を光熱費だけで回収しようとすれば、20年以上かかります。

「光熱費が劇的に安くなる」という期待で断熱リノベをすると、肩透かしを食らうかもしれません。

半分間違い:それでも光熱費は確実に下がります。

特にガス代は冬3ヶ月で▲19,507円。

そして何より、光熱費の数字には表れない「快適さ」が手に入ります。

家中どこでも同じ室温、結露ゼロ、安定した湿度——この価値は、月数千円という金額ではとても測れません。

項目内容
8ヶ月合計削減額▲44,408円
月平均削減額▲5,551円
年間換算(推定)▲約66,000〜70,000円
削減の主役ガス代(ファンヒーター廃止)
電気代の傾向ほぼ横ばい〜微減(運用次第で増える月も)
活用した補助金約81.5万円
数字に表れない価値家中同じ室温・結露ゼロ・湿度の安定・圧倒的な快適さ

断熱リノベの光熱費効果は、「過度な期待は禁物。でも快適さまで含めれば十分に価値がある」——これがわが家の結論です。

リノベの全体像や生活の変化については、こちらも合わせてご覧ください。

この記事が、断熱リノベの光熱費に疑問を持つ方の判断材料になれば嬉しいです。みなさんがマンション断熱リノベで、光熱費の削減と快適な暮らしの両方を実現できるよう、心から願っています。

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