私がマンションリノベした頃は、マンションでZEHを取った事例はほとんど聞いたことがありませんでした。
ZEH住宅といえば、戸建てばかり。
マンションリノベーションの機会に、断熱等級6と合わせて取得しようと考えました。
この記事では、我が家がZEHを目指した理由、取得までの流れ、かかった費用と補助金の実額 を実体験ベースで書きます。
「マンションでもZEHを取れるのか」と気になっている方の参考になれば嬉しいです。
結論——マンションでもZEHは取得できる
マンションでも、リノベーションでZEHは取得できます。
ただし、「戸建てと同じように簡単に取れる」とは言えません。
条件と手間がある
ZEH取得には、断熱性能・設備・エネルギー収支の基準をすべて満たす必要があります。
マンションの場合、戸建てと異なる制約があります。
太陽光発電パネルを屋根に設置できない、 共用部の設備は変更できない、といった制限です。
その分、断熱性能と設備効率を高めることで基準をクリアする設計が必要になります。
また、ZEH対応の工務店でなければ申請自体ができません。
工務店選びの段階から、ZEH取得を視野に入れることが必須条件です。
そもそもZEHとは何か
ZEHという言葉は知っていても、具体的に何かわからない方も多いと思います。
我が家も最初は そうでした。
ZEHの定義と断熱等級との関係
ZEHは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略です。
簡単に言うと、「住まいで消費するエネルギーと、創るエネルギーの収支をゼロ以下にする」という基準です。
消費エネルギーを減らすために断熱性能を高め、創エネ設備(太陽光発電など)でエネルギーを補う、という考え方です。

断熱等級との関係で言うと、ZEH基準を満たすには断熱等級4以上が前提になります。
我が家は断熱等級6を取得したため、断熱性能の面では基準を大きく上回る形になりました。
マンション(集合住宅)でのZEHの扱い
マンションのZEHは「ZEH-M(ゼッチ・マンション)」と呼ばれます。
戸建てのZEHと基準が一部異なります。
共用部のエネルギー消費も評価対象になるため、個別 のリノベだけで完全なZEH-Mを達成するのは難しいケースもあります。
我が家の場合は、専有部のリノベーションで取得できる「ZEH-M Oriented(ゼッチ・マンション オリエンテッド)」に相当する形での取得でした。
こちらが我が家のエネルギー消費性能証明書です↓

まず工務店に「この物件でどのZEH基準を狙えるか」を確認することが最初のステップです。
我が家がZEHを目指した理由
我が家のリノベは冬の寒さ、夏の暑さを改善する断熱リノベをすることが優先順位の一位でし た。
しかし断熱リノベ後、住環境がいくら快適になったとしても、リノベ前を知らない相手にはその快 適さがうまく伝わりません。
将来売却することになった時、この住宅の性能を形にしておかないと資産価値を示せないと感じました。
そのような理由から、断熱に関わる住宅の性能を可視化したいと思ったのが始まりでした。
補助金が使えると知った
国は住宅の断熱基準を大きく変えてきています。
CO2削減のため、断熱性能が高い住宅を推進するようになりました。
そのための補助金が使えると聞きました。
補助金の額は申請年度によって変わりますが、数十万円単位の補助が受けられます。
断熱リノ ベの費用は大きいため、補助金の存在は判断に直結します。
断熱等級6と合わせて取得できる
依頼した工務店は断熱リノベの経験が豊富で、これまでの実績を見てもリノベによって高い断熱性能を実現していました。
しかし、これまでZEH取得や断熱等級を証明したことは無いとのことでした。
私は、こんなに素晴らしい断熱リノベをしているのなら、戸建てのように住宅性能を可視化したいという思いが元からありました。
資産価値が上がる
ZEH取得は、住まいの性能を公的に証明する書類になります。
将来売却する際に、断熱性能や省エネ性能を客観的に示せる材料になります。
同条件の物件と 比べたときに、差別化できる可能性があります。
数字で保証できるわけではありませんが、資産価値の維持という観点でもZEH取得には意味があると判断しました。
向上した性能を可視化できる
断熱リノベをすると、暮らしの快適さは実感できます。
でも「どれだけ良くなったか」を他人に説明するのは難しいです。
ZEH取得という形で性能を数値化・証明できることは、自分たちの選択を裏付けてくれるものでもありました。
ZEH取得の流れ——申請から認定まで
ZEH取得のプロセスは、知らないと戸惑うことが多いです。
我が家の経験をもとに順番に書きます。
1 工務店がZEH対応かどうか確認する
ZEHの申請は、登録されたZEHビルダー(工務店・設計事務所)でなければできません。
工務店を選ぶ段階で「ZEH申請の実績があるか」を確認してください。ZEH取得を考えているなら、この確認が工務店選びの必須条件になります。
2 設計段階でZEH基準を満たす仕様にする
ZEH取得は、設計の段階から基準を意識した仕様にする必要があります。
断熱材のグレード、窓の性能、設備の効率——それぞれがZEH基準の計算に影響します。
後から「ZEHにしたい」と言っても、仕様を変えると設計がやり直しになることがあります。
ZEH取得を目指すなら、設計の初期段階から工務店に伝えることが重要です。
3 補助金申請のタイミングと注意点
ZEHの補助金は、工事着工前に申請が必要なケースがほとんどです。
申請してから採択通知が届くまで、数週間から数か月かかることがあります。
着工のタイミングが 補助金の申請スケジュールに左右されます。
また、補助金は毎年度予算が決まっており、申請が集中すると受け付け終了になることがあります。
早めの情報収集と、工務店との連携が不可欠です。
4 完了検査・認定取得まで
工事完了後に検査を受け、基準を満たしていることが確認されてから認定が下りる流れになります。
設計どおりの仕様で施工されているかを確認する工程です。
ZEH対応の工務店であれば、この手続きもサポートしてもらえます。
ZEH取得にかかった費用と補助金の実額
ZEH仕様にするための追加費用
ZEH基準を満たすための断熱・設備のグレードアップは、通常の断熱リノベより費用が上がります。
ただし我が家の場合、もともと断熱等級6を目標にしていたため、ZEH仕様にするための「追加費用」という感覚はあまりありませんでした。
断熱等級6の仕様がそのままZEH基準を上回る形になったからです。
ZEHを狙って断熱グレードを上げる場合と、もともと高断熱を目指していてZEHが付いてくる場合では、コスト感が変わります。
補助金でいくら戻ってきたか
申請した補助金については、工務店とのやり取りの中で対応してもらいました。
補助金の額は申請年度・プログラムによって変わるため、具体的な金額は申請時点の制度を確認してください。
参考として、我が家が申請した時点では数十万円単位の補助が受けられました。
実質的な負担額
補助金を受け取ることで、断熱リノベの実質的な負担額は下がりました。
ただし、補助金は工事完了後に振り込まれるため、一時的に全額を自己負担する資金計画が必要です。
この点は事前に把握しておいてください。
ZEHを取得して実際に変わったこと
光熱費への影響
断熱性能が上がり、空調の効率が改善されました。
光熱費の変化については別記事で実測データを公開しています。
ZEH取得そのものが光熱費を下げるわけではありません。
ZEH基準を満たす断熱・設備の仕様 が、結果として光熱費の改善につながっています。
売却・資産価値への影響(期待値として)
現時点で売却していないため、実際の資産価値への影響は確認できていません。
ただ、ZEH取得の証明書類は手元に残っています。
将来売却する際に、断熱性能と省エネ性能を客観的に示せる材料として活用できると考えています。
省エネ性能が住まい選びの基準として広がっていくなかで、ZEH取得は長期的に意味を持ってくると期待しています。
ZEHを検討している人に正直に伝えたいこと
手間に見合うかどうか
ZEH取得は、申請・手続きの手間がかかります。
ただし、ZEH対応の工務店に任せれば、ほとんどの手続きは工務店がサポートしてくれます。
施主側の手間は、意思決定と書類への署名が中心でした。
「手間がかかる」と聞いて躊躇している方には、思ったより大変ではないとお伝えしたいです。
しかしながら、工務店の手間はかなり増えます。
申請するための費用をしっかり確認して見積もりの中に入れてもらうのが現実的です。
補助金ありきで考えると失敗する
補助金は毎年度変わります。プログラムが終了することもあります。
「補助金がもらえるからZEHにする」という動機だけで進めると、補助金の受け付けが終了していたときに判断が揺らぎます。
「性能を上げたいからZEHを目指す、補助金は使えれば使う」という順序で考えることをおすすめします。
住宅ローン控除には影響しない
誤解されやすい点として書いておきます。
ZEH取得は住宅ローン控除の控除額に直接影響しません。
2026年現在、マンションリノベでは、住宅ローン控除の借入上限額はZEH取得しても変わりありません。
新築戸建て、中古戸建て購入の場合の住宅ローン控除優遇と混同しないよう、事前に確認してください。
まとめ|ZEH取得は工務店との二人三脚で考える
マンションでもZEHは取得できます。 ただし、以下の3点が前提になります。
1. ZEH対応の工務店を選ぶ 工務店選びの段階から確認が必要
2. 設計初期から意識する 後からZEHを追加するのは難しい
3. 補助金のスケジュールを把握する
着工前申請が基本、早めの動きが重要 ZEH取得は、高断熱リノベを目指す人が「ついでに取得する」という感覚で進めるのが現実的です。
ZEHのために断熱を上げるのではなく、断熱を上げた結果としてZEHが取れる。
その順序で考えると、無理のない判断ができます。
工務店との連携が、ZEH取得の成否を大きく左右します。
信頼できる工務店と二人三脚で進めることが、後悔しないZEH取得の一番の近道です。
マンションにお住まいで、暑さ・寒さに悩まれている方は多いと思います。
ぜひリノベでその悩みを解決してください。
快適な生活が待っていますよ。
この記事がマンションリノベを検討している方の少しでも助けになると大変嬉しいです。





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